うさぎが逃げる プロローグ

どうしよう————。

震える指先でうさぎは自分の身体を抱きしめるとギュッと力を入れる。
倉庫の箱に身を縮めて隠れているけど、確実に近付いてくる足音が耳に届く。長い影がうさぎの目の前に見えた時、思わず息を飲んだ。

一体自分はどうなるのか。考えるだけでうさぎは死にそうな気分になる。
今まで自分がやってきたことのつけが回って来たと言われたらそれまでだけど、まさかこんなことになるとは思いもしなかった。

掴まったら一体自分は————?

徐々に近付く影にうさぎは更に身を縮めるしか無かった。

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