週末になり修平の家を訪れると、すでにそこにはケイや光も来ていた。ケイのノートパソコンは開かれていない状態で置かれていたが、光はパソコンを操作しているのが見える。
「アキ、丁度いいところに来た。光が曲を入れ替えたいって、ロープレのバトル曲持ってきたんだよ」
「一緒に聞かせてもらうよ」
すでに定位置となっている場所に座ると、テーブルの下に鞄を置いた。光が操作すると、ノートパソコンと繋がれたオーディオから音が鳴り出す。
前回のものもよくできていると思ったけれども、それをさらに上回るできだと思える。少なくとも、前の曲に比べたら今の曲の方が断然よく聞こえる。
「……凄いね、凄くいい気がする」
「だな。ちょっと鳥肌もんかも。でも、これを毎回バトルに使うにはちょっと重すぎる気がするな」
「ダメですか?」
少し困惑気味にこちらを伺ってくる光に、秋生としては返す言葉が見つからない。音楽について教養がある訳じゃない。けれども、間違いなく前の曲に比べたらいい曲だと思う。
秋生が言葉を探している間に、隣にいた修平が口を開いた。
「ダメっていうか、これなら中ボスのバックに使った方がインパクト出るだろ」
「それよりも、今のラスボスに使ってる曲を中ボス用にして、これをラスボスにしたら格好つくんじゃないかな」
「でも、ラスボスに持ってくるなら、私としてはもう少しガツンとくるものが欲しいかなぁ」
「それなら……」
光の指がマウスをつかみ、パソコンを操作して一旦曲を止める。それからキーを叩く音が少しして、再び曲が流れ出す。
流れてきた曲は先と同じものだ。けれども音を重ねて重みを出しているし、主音が重苦しい重低音が効いたものになっている。これなら確かにラスボスの曲としては十分満足いくものだ。
実際、斜め前に座るケイも納得したような顔をしている。
「これなら充分いけると思うけど」
「うん、これなら納得」
「よし、それなら光、そのデータこっちに送ってくれ」
「分かりました」
返事をするとすぐに光は曲を止めて、再びキーを打ち出す。
「正直、聞きにくいんだけど、アキの方は修正どう?」
「一応、できた分だけ持ってきたんだ。見てくれるかな」
鞄からノートパソコンを取り出すと、手早く操作して修平のパソコンにデータを送る。修平のパソコンは一部分、ここにいるメンバーに開放されていてこのメンバーであれば見ることができる。
それぞれがパソコンに向かい、秋生が修正したシナリオに目を通しているのが目の動きから分かる。正直、賞などに投稿した時よりも、ずっと落ち着かない気分でそれぞれの言葉を待つ。
「……凄くゲームっぽくなってる気がする」
「僕もそう思います。ただ坂戸さんらしらが無くて、僕としては物足りないかも」
「でも内容がアキらしいんだから、そこは問題無いんじゃないのか? いや、何て言うか凄い驚いた変化なんだけど……これなら打ち込みしやすい」
どうやら前よりかは良くなっているみたいで、そのことに秋生は安堵する。ただ問題も一つある。
「でもやってみて思ったけど、シナリオと小説って全然違うと思ったよ。実際、修正は今終わったところまでしか進んでいないんだ」
「それは……ちょっと厳しいんじゃない? 残り期限を考えると」
誰もが黙ってしまう中、最初に口を開いたのは難しい顔をしたケイだ。こういう見通しの良さがケイらしいと思う。何よりも、それを遠慮せずに口にできることが、やはりケイらしいと思える。
「正直難しいと思う。見て貰った通り一週間弱でロープレの触り部分しか修正できていない。でも、ここで手抜きするような真似だけはしたくないんだ。ゲームがバージョンアップされる度に、誰もが努力して良くなってきているのに、僕だけが手を抜くような真似はしたくない。間に合わない可能性は確かにある。でも、できる限りのことをしてみたいんだ」
「後半が間に合わなくて手抜きに見えるとしても?」
「やりたい。できることはやっておきたい。後悔したくないんだ」
「……私は別に構わないけど。元々話を持ってきたのはアキだし」
そのままケイの視線が残る二人に向けられて、光も言葉少なく同意してくれた。そして、残る修平は少し考える様子を見せてから口を開いた。
「俺も構わない。ただ一つ言うなら、手直しするなら最後からやってくれ。最後が手抜きと思われるのは納得行かないし、打ち込みするにもその方が二度手間にならない」
「手直しさせて貰えるなら、それくらいのこと全然構わないよ。でも、そうだよねシュウにとったら二度手間になるんだよね。ごめん」
「それはお互いに受け持ち部分が違うんだから気にする必要ないだろ。そもそも、打ち込み系なんて修正あって普通だしな」
そう言って修平は本当に気にしてないとばかりに笑う。でも今は、その笑顔に秋生としては助けられた気分だった。
それだけこの修正には時間が足りない。何よりも慣れない作業で、どうしても秋生の時間が取られるのが手痛い。けれども痛みがともなうものであれば、全員の同意が欲しかったし、笑って了承してくれる修平の存在は秋生にとって大きかった。
「アキ、死ぬ気でやって。その代わり、私も死ぬ気で追加になったイラスト描く。アキの世界、絶対に壊さないだけの努力はする」
「シュウとケイの負担が増えて、本当に悪いと思ってる。何よりも今まで気づけなかったことが申し訳ないというか」
「さきシュウも言ってたけど、謝る必要ないでしょ。結局、私もシュウも早い段階で口にしなかったことが悪いんだし、それぞれ分担が違うんだから。それから誤解されたら嫌だから言っておくけど、別に遠慮してた訳じゃないからね。ただ、修正前の状態でも悪くないと思ってた。でも良くなるならそれに越したことはない。そう思えるくらいには、シナリオが格段に良くなってるから」
「そうかな?」
「そうに決まってるでしょ。後は時間との戦いに勝つだけだし!」
拳を握りしめて力説するケイに笑いながら、秋生は改めてメンバーに対して頭を下げた。
「ありがとう。このメンバーで作れて本当に良かったと思ってる」
「おいおい、そういうのはゲームが作り終わった後か、結果出てからにしよう。少なくとも、まだお礼言われるだけの形すらできてないしな」
「そうね。そういう意味では私も頑張らないと。シュウ、昨日送ったイラストについて聞きたい部分があるんだけど」
ケイはノートパソコンを開くと、修平に画面を向ける。そしてパソコンを向けられた修平は光に視線を向けた。
「そんな訳で光。今後二ヶ月、光はテスト要員だ。テスト方法はアキから聞け。俺はちょっとケイと打ち合わせすっから」
「分かりました」
返事をした光はすぐにこちらへと向き直ると、パソコンをこちらへと寄せて近づいてきた。
「テストってどういうことをするんですか?」
「今はアドベンチャーのテストをやってるんだけど、簡単に言えばバグチェックをしているんだ。だからそのために全ての選択肢をやりこまないといけない」
「全て、ですか」
「そうじゃないと意味ないからね。ここにシュウが作ったフローチャート、分岐図があるんだけど、この全ての選択肢を通らないといけないんだ」
自分のノートパソコンを操作して修平のパソコンから、フローチャートを取り出すとファイルを画面上で開く。画面狭しと記号化された選択肢一覧が出てきて、それを興味深そうに光は眺めている。
「これをプリントアウトして僕は通った選択肢に色ペンを使ってチェックしていた。それで最後に出てくるフラグ数値を下に書き込んでおくんだ」
「フラグ数値ですか?」
「一番わかりやすいのは見て貰うことかな」
そのままいつもチェックしている画面を開いて、アドベンチャーゲームを立ち上げる。実際の画面のほかに右側にはどういうフラグがあって、フラグの数値が書かれている。
ゲームをスタートから早送りして少し話を進めると選択肢が出てくる。光にフラグ数値を見ているように伝えてから選択肢の一つを選ぶと、幾つかのフラグ数値が変わる。
光が分からないという部分に答えながら、事細かに説明していく。そしてメモを取っていた光も最終的には理解したらしい。最後には小さく溜息をつくと、改めて秋生に視線を向けてきた。
「何だか凄いですね。これ、坂戸さん一人でロープレの方をやってたんですか?」
「一番手隙だったからね」
「でも凄いです。正直僕一人で期限内には難しいかもしれません。実際、テストできるの土日しかありませんし」
「大丈夫、シュウも手が空く時にはテストするって言ってたから。その辺はシュウと連絡しながら手分けしてテストすればいいよ。それに締め切り前には総動員でテストすることになるだろうし」
それでも光は不安げな顔をしていて、そんな光に秋生は笑いかけた。
「そんな心配することないよ。お互いにできる限りのことをすればいいんだから。それに誰かができなければ、誰かが手伝う。そうして僕たちやっているんだし。僕が今回シナリオ修正するにあたって、光くんがテストをしてくれるでしょ」
「それはそうですけど……でも、正直シナリオの手直し思い切ったことをしましたね。ちょっとびっくりしました。多分、僕だったら言い出せませんでした」
その驚きは少し分かる気がする。実際、少し前の秋生であれば、安全性を狙ってこんなに手直しをしなかったに違いない。でも、そこそこを狙うのであればそれでも構わないが、トップを狙うのであれば安全性なんてものは捨てるべきだと思う。
秋生自身、このメンバーでなければここまで無茶を言い出すことはできなかったに違いない。
「でも、光くんだってもっといい曲を、そう思って今回曲の修正をしたんでしょ?」
「それはそうですけど……でも僕が一曲修正するのとは違って、坂戸さんのは全面的な大修正じゃないですか」
「みんなの遣る気がそうさせてくれたんだと思ってる。それに、親から小説家を目指すことを反対されていてね。だから納得させるためにはどうしても、このゲームで親を納得させたいんだ」
「え? それじゃあ、もしこのゲームでトップを取れなかったら小説書くの止めちゃうんですか?」
一瞬にして身を乗りだしてきた光の顔は真剣なもので、柔らかく躱そうとしていた秋生としては言葉に詰まる。
元々親を見返すためだけにこのゲームを作り始めた。何か賞でも取れば泊がつくと思ったのも確かだ。
母親の言うレールに乗りたくはない。けれども、実際になれるか分からない小説家を夢見るだけの時間も秋生にはない。
いずれにしろ親元を離れることになるだろうが、秋生としては収入が必要になる。収入という意味では親がいう医者への道は、簡単ではないだろうが秋生にとって魅力的な収入であった。
ただ、そうなれば小説を書いているだけの余裕があるかも分からない。実際、研修医時代は忙しく、そんな時間は取れないに違いない。そして医者になれば余裕ができるかといえば、そんなことはない。それは父親を見ているから充分理解している。
別にそんなことはない、と光に言うことは簡単だ。でも光は本気でその答えを求めていて、秋生としてもはぐらかす気持ちにはなれなかった。
「多分、止めるかもしれない。正直、プロになりたいのになれない、そういう気持ちで小説に固執するのは良いことだと思えないしね」
「何でですか? なりたいなら努力したっていいじゃないですか」
「光、人の将来にケチつけない。人には色々事情だってあるの」
いつの間にか打ち合わせもせず、こちらの会話を聞いていたらしいケイが光をたしなめる。けれども、光もそこで引くつもりはないらしい。
「でも、僕は坂戸さんが書く小説が本当に好きだし、もっと読みたいと思う。絶対にそう思ってる人は他にもいるし」
「光、やりたいだけじゃあ生きていけないことくら分かるでしょ」
「でも目指してもいいでしょ? 僕だってプロになりたいから音高に行ったんだよ? それに姉さんだって応援してくれた!」
「だから、何度も言ってるけど、人には人の事情があるの」
「だっておかしいよ! 事情はあるかもしれないけど、好きなことを続けたいと思ったらいけないの?」
部屋中の音が全て無くなる。光の言葉を最後に誰もが口をつぐんでしまい、誰も何も言わない。そして当人である秋生も、光に対して何も言えずにいた。
まるで逃げるなと言われているようで、その言葉が揺れる心までダイレクトに響く。
好きなことだから続けたい。でも、生活するにはそればかりも見ていられない。
人はどこで夢を諦めるのか。そんな命題を突きつけられた気がして、秋生はわずかに顔をしかめた。光の言葉に嫌悪を感じた訳ではない。ただ、どうしてか胸に突き刺さるものがあった。
「僕、本当に坂戸さんの小説が好きなんです……」
ぽつりと零された何気ない言葉だったけれども、秋生を揺らがせるだけの威力はあった。最初から光は秋生に小説を通じて好意を示してくれていた。それが嬉しいと思っていたけど、まさかそこまで光が秋生の小説を好きだと思ってはいなかった。
確かに事情はある。実際、これからも頑張れば書き続けられるに違いない。ただ、それだけの努力と気力、そして何よりも覚悟が秋生に足りない、ということなのかもしれない。
「……うーん、光くんに説教されてしまいました」
「アキ、笑い事じゃないでしょ。怒っていいんだけど、こういう時は」
「でも凄く初心に返れた気がする。そうなんだよね、結局書くことが好きなんだよ。だから書いて食べていけるプロになりたいと思った。伝えたいことがあるから小説を書いてる。うん……何だかちょっと戦ってみてもいいかなって気分になってきた」
「え? 何と戦うんですか?」
「親とね。親と進路のことで揉めてるんだけど、正直、小説家なんてプロになれるか分からないもの目指すのもどうかと思っていたんだ。でも、やりたいことやらないと後悔する気がしてきた。だって、僕自身、まだ本気で親になりたいって訴えたことが無かったからね」
言った通り、なりたいとは言ったけど、親に本気で分かって貰おうという努力はしたことがない。ただ勝手に進路変更を決めて、文句を言う母親の言葉は聞かないふりをした。それでは、お互いに理解も難しい。
勿論、現状では母親だって説得するのが難しいし、話にならないに違いない。でも秋生の親は何も母親だけではない。母親から聞いているだろう。母親と同じ意見なんだろう。そう勝手に思い込んできたけど、父親を説得する努力だけは秋生もしなければいけない。
親に対して育てて貰った恩があるのであれば、なおさらその努力だけはしなくてはいけない。
「何かあったら言えよ。家出先くらいにはなってやるから」
「そんなことしたら、うちの親、速攻で乗り込んでくると思うけど」
「大丈夫。いざとなればうちに来ればいいじゃない。アキが戦うって決めたなら、それはそれで応援する。できる限りの協力はする……でも、家出は最終手段だから、それは禁じ手に近いかも」
「姉さんがそういうこと言うの意外」
「当たり前でしょ。言葉を駆使する人になりたいなら、それこそ親を説得するくらいの気合いを持って挑まないと」
「厳しいこと言うねぇ。でも、それくらいの気持ちでいないといけないよね」
「そういうこと」
やりたいと思うことがある。そしてそれに対して背中をおしてくれる人たちがいる。確かに親を説得することは難しいに違いない。それでも、努力を惜しむ真似はしたくないし、していいと思えない。
理解が得られないから、そう言って切り捨てることは簡単だけど、努力もせずにそれをするのは間違えているし、後悔だってしたくない。一度しかない人生なら、やっぱりやりたいことをしたい。
プロになるケイを羨んでいた。でも、それだけでは前に進めない。ケイはケイなりに自分を律していて、それを見ないことにしてはいけない。努力だけじゃない。自分を律して目的に進まなければ、得たい結果も得られない。
分かっていたようで、分かっていなかったのかもしれない。軽く考えていた自分が少しだけ申し訳ない気がする。でも、ここで謝ったところでケイは謝罪を受けとってはくれないだろう。そして背中を押してくれるシュウや光にお礼を言っても、伝わらないに違いない。
だったら、自分が腹を決めてきっちりと将来を見つめる他、選択肢なんてものはない。
「足掛かりがある訳じゃないから大変だけど、やりたいことやってみるよ」
「だよな。ダメだったらその時考えればいんだし」
「それは投げやりすぎでしょ」
「そうか? 俺はダメだったらその時考えるな。だって、大人になればどうにでもなる問題だろ。別に食えればいいと思えば、そこまで金は必要じゃない。違うか?」
「まぁ、確かにそれは言える。でも総合的に考えるべきだと思うけどね。だってお金ってあって困るもんじゃないし」
「何だか二人して極論を言ってる気がする」
二人の早い会話に水を差したのは光の一言だ。けれども、そこで会話を止めたケイは光に矛先を変えた。
「光には遠い未来だから考えたりしないだけ。やっぱり色々考えるもんよ。高校で進路を決める時には」
「そう? 友達の兄さんとかやることがないから大学行くって言ってたけど」
「それは余裕がある人間ができること。もし光がそんな半端な覚悟だったら、私は大学反対するけど」
「ち、違うよ! 僕はきちんとやりたくてやってるし!」
「だったら、その努力を結果にして出さないとね。努力は大切だけど、努力だけじゃご飯は食べられないから」
「……姉さん、夢がなさすぎ」
「現実的と言いなさい」
姉と弟の会話。それは兄弟のいない秋生にとっては少しだけ羨ましい。でもこの二人だって相応の努力の結果、今ここにいる。このメンバーに見合うだけの何かを自分も結果として出さなければいけないと思う。
「そこらへんにしとけ。とにかく、今はこれ仕上げるのが先決だろ」
そう言って修平がボールペンで叩いた先は進行表で、そこには六月末までの予定がびっしりと書き込まれている。
「ケイ、現実的って言うなら、お前はこの期日までに本気でイラスト仕上がるんだろうな」
「仕上がるかって問題じゃない。仕上げるの。でも、本当に期日ギリギリだし、アキもギリギリになるだろうから、最終的には泊まり込みしてテストしていくしかないかもね」
「そうだな。丁度、二十九、三十日は土日だから、ここは泊まり込み決定だろ。テストするにもそれぞれ無駄なくテストしたいし」
「僕もその日は都合つけるよ。上がったシナリオすぐにシュウに打ち込んで貰いたいし」
「おいおい、そんなギリギリまでやるつもりかよ」
「やるよ。半端したくないし、さきも言ったけどできる限りの努力はする。僕だけのゲームじゃないから」
「でも、余り無理しないで下さいね。姉さんも期末試験前だからって頭抱えていたくらいですし」
「光……お前、嫌なこと思い出させるなよ……」
心底うんざりした顔をする修平に笑いが起きる。そして秋生も一緒になって笑う。授業を真面目に受けるようになり、試験も赤点ギリギリじゃなくなっても修平の試験嫌いは治らないものらしい。
光の言葉は拙いものだったけれども、それだけ秋生の心の中へ素直に入り込んできた。その気持ちや、伝える言葉、そういうものを秋生は大切にしていきたい。
初心に返る気持ちを教えてくれた光の素直さに、秋生はただ感謝するばかりだ。そして、身近にいる将来を見据えた友人兼ライバルである二人に心底感謝したい気分だった。